それぞれの愛の"カタチ"
人によって、喜ぶ表現、怒る表現、哀しむ表現、楽しむ表現、
そして愛の表現、それぞれ皆違うでしょう…
それは相手によっても場所によっても、
その人の関係によっても、その表現の"カタチ"はまた違ってくる。
表現の"カタチ"、愛の"カタチ"は無限である…
ソレは間違いもなく、正解もない…
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これから記す話しに対して、皆の感じ方もそれぞれでしょう…
そして、コレはオレが感じた、彼のストーリーである…
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オレがまだ高校生だった頃の話し…
妹のコズエに出会う数ヶ月前の話し…
オレの人生の大半は歯で泣かされてると言っても過言ではない…
ある晩、歯痛のヒドさで眠れない夜があった…
オレは、半分がやさしさで出来ているバファリンを服用。
でも、全く効かない…
少し時間を置き、もう一度服用。
効かない…
んじゃ、もういっちょ!!
全く効かない…
コレを何度も繰り返した…
んで、全く寝れないから、睡眠薬を服用…
知らぬうちに寝てたらしい…
次の日、すぐに歯医者へ。
そして、虫歯で神経までダメになってた歯を抜き、
その下の神経を掻きむしって取り出すために、
たくさんの麻酔を注入。
治療を済ませ、帰宅。
ようやく痛みから解放されたと思いきや、
いきなり世界が回りはじめた…
まともに立ってられない…
しまいにゃ、
頭が本当に割れたんじゃないかと思ったぐらいの激痛に…
痛さに耐えきれず、救急車を呼び、運ばれ、
オレは軽く死にかけた…
そして、軽く1カ月以上、入院するハメに…
バファリンの大量摂取、期限が切れた睡眠薬、
そして、歯医者の麻酔…
複合のオーバードーズをしてしまった結果だ。
当時、バファリンの半分は、やさしさで出来てねぇ〜よっ!!
って嘆いてました…
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って、ココで話しが終わるわけじゃないよ!!
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そのおかげで入院して、そこで、ある人と出会った。
その人の名はモトさん、30代の男性。
彼は面倒見がよくて、
その頃父親像をよく追いかけていたオレは、
彼に懐く様に仲良くなった。
お互い退院しても、連絡しあって、
たまにメシ食いに行ったり飲みに行ったりしていた。
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彼は酒が好きだった。
というか、酒がはけ口だった…
酒が入ると、世間や社会を敵対しはじめる…
そして、暴れん坊でもあった…
凶暴であり、優しさがあり、
そして、とてつもなく弱さもあった…
それが、当時のオレにとっては、
ナニか同じ感覚、匂いがした…
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彼は昔、過度のアル中になり、
克服するためにアル中薬物の専門の病院に入っていた。
が、彼はトラブルを起こし、他の病院へ。
転院する度に何度もトラブルを起こしてしまい、
病院を転々としたらしい…
人と衝突して、ケンカをしちゃうのがクセ…
その相手達を怪我させてしまい、
病院をタライ回しにされていた…
そして、どの病院にも入院出来なくなり、
行き着いた病院が、オレが入院した総合病院だったらしい。
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この頃、モトさんが、よく口にしていた言葉は、
『毎日朝が迎え、目を覚ますと違う自分が待っている。
毎日、人は生まれ変わっている…』
モトさんは、
自分を変えていきたいと感じる発言をしていた。
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モトさんは、退院後、仕事を見つけ、
仕事に専念し、頑張っていたが、
またもや人と衝突してケンカをしてしまい、クビに…
それでも何度も仕事を見つけ、そしてまた衝突し…
と繰り返していた。
とてつもなく、素直な人でもあった。
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ついにモトさんは、金が底をつき、
そして、母が働いている寮に、母と暮す様になる。
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その頃、よくモトさんは自分の息子の話しをしていた。
『息子に会いたい!!』
と…
モトさんには息子が1人いる。
昔に奥さんと離婚し、その後、息子と一度も会えていない。
奥さんが息子を引き取り、それ以来、
奥さんは息子を、決してモトさんに会わせたくなかった様だ。
モトさんは毎年、息子の誕生日になると、
誕生日プレゼントを送っていたそうだ。
だが、そのプレゼントは息子に届かず、
送った状態で、そのまま、送り返されていた…
それでも毎年何度も何度も送っていた…
このモトさんの気持ちを息子は知る時が来るのだろうか?!
オレは一度も父と会った事がなく、
一度も父からコンタクトすらあった事がない…
もしかしたら、オレの父もこのような状況だったのかな?!
と小さな期待感を昔は持っていたが、
現実は、オレの父母が離婚後、
まだ2歳だったオレとたまたまバッタリ出くわしたらしいが、
オレを見て、父はそそくさ逃げて行ったらしい…
だから、とてつもなく、その息子を羨ましがっていた。
オレの気持ちをモトさんに話した。
『父に会いたいという気持ちは、
どんな子供でも、みんなそういうものだ。
だから、今が会えなくとも、未来、その息子が成長したら、
会える時が必ず来るよ!!』
って。
モトさんは、また就活に頑張りはじめた。
が、職はなかなか見つからなかった…
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そして、ある日、
モトさんとメシを食いに行った帰り、
モトさんと、いつもの様に別れた。
オレと彼は逆方向に歩いて行ったんだけど、
オレはふと振り返った。
その時のモトさんの後ろ姿は今でも覚えている…
そのモトさんの背中は…
言葉では表現しきれない…
なぜか、もうモトさんとは会えない様な気がした…
それから、連絡が途絶えた…
その後、年が明け、ある女性から連絡がきた。
モトさんが亡くなったという知らせだ…
その女性はモトさんの母親からだった。
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焼身自殺だった…
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信じられない!!
というのはなかった…
そうか…
とその時、そう思っただけだった…
オレは薄々、何かを感じていたのかもしれない…
でも、当時は自分自身の事で精一杯だったオレは、
感じない様にしていたのかもしれない…
どうしようもないオレ…
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葬式には行かなかった…
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でも、彼に、もう一度会わなくてはいけないと思い、
モトさんの母親に連絡し、仏壇に手を合わさせてください。
と頼んだ。
モトさんの母親は喜んで承知してくれた。
そして、後日、彼女と待ち合わせする事に。
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コレは偶然なのかどうなのかは知らないが、
モトさんの母親が働いていた会社は、
当時、セツ(いちよ、オレの母)が働いていた会社の系列が同じで、
モトさんの母親は、そこの食堂で働いていた。
だから、セツにもその情報がいっていた。
セツがまた、くだらない事を言う。
『その男性(モトさん)の母親は葬式で、
一粒の涙も見せなかったのよ!!
相当な女だって噂よ!!
息子が亡くなってホッとしたのね!!』
いやっ、オマエが言うなよっ!!
と言ってやりたいトコロだったが、聞き流した…
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オレは彼女が働いている職場まで足を運んだ。
彼女は電動イス車に乗っていた。
広島の原爆の被爆者なのだそうだ。
旦那には先立たれ、その後の生活のために、
食堂で働いてるそうだ。
彼女は笑顔でオレを迎えてくれた。
息子を何週間前に亡くしたとは思えない笑顔だった。
職場から彼女の自宅まで、話しながら歩いた。
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彼女はある朝、ストーブの石油のタンクが入ってない事に気づき、
嫌な感じがしたそうだ。
彼女はいつも通り食堂で働いていて、
普段は窓を開けないで仕事をしているのに、
その日だけは、なぜか窓を開けてたそうだ、
そしたら、焦げ臭い匂いがしたそうだ。
彼女はオレにこう言った。
『あの匂いは、息子が私に自分の事を伝えにきたのね。』
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その食堂から少し離れた野原が現場だったそうだ。
『真っ黒になった息子を見たわ。
でもね、顔だけは綺麗に残っていたの。
そして、安らかにニッコリとしていた顔だったわ。
息子はようやく解放されたのね…』
一瞬にして、カラダは炎上し、
即死だったそうだ。
コレは母親にしてみれば、唯一の救いでもある…
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自宅に着き、部屋にあがらせて頂いた。
モトさんの母親は、
『ただいま』と、息子の名前を何度も言いながら、
息子の仏壇に、自分の帰宅した事を息子に伝えていた。
母親が息子を想う気持ちが伝わってくる…
いやっ、母とは全く一緒に暮らした事がなく、
母親というモノを、
よくわかっていないオレが感じるのは、
オカシイと思う人もいるだろうが…
セツが言っていた、息子を亡くしてホッとした、
というのはあからさまに間違っていた。
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モトさんの母親は話しはじめた…
『息子は昔から、あまり喋る子ではなかった…
内に秘めるタイプね…
息子が薬物依存症になった時、
私は彼を病院へ連れて行こうとして、
病院へ行く途中、息子が小便すると言い出した。
私は、そこら辺で済ませなさいと言った。
その時、息子の背中を見たの、
思わず涙が流れたわ…
だって、若者の背中じゃないんですもの…
アレは年寄りの背中だったの…
まるでオジイちゃんの背中だった…』
『あの子は若い時から、とても荒れていた…
そして、自分の気持ちを表面に出せなく、
とても苦しんでいた…
薬物依存症、アルコール依存症…
もう、どうしようもなかったのね…
私は息子の気持ちを察する事が出来なかった…』
『私はもう先が短い、
息子の事は本当に心配だった…
息子はコレで楽になれたのかしら…
解放されたのよね…』
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モトさんの母親は、息子が自殺した事を何1つ責めなかった。
その息子の行為を受け止めていた様にオレは思えた。
どんだけ複雑な気持ちが交差しているのだろう…
今までの息子を見てきていて、とてつもなく不安だったんだろう…
そして、解放された息子を感じて、安心しているのだろうか…
モトさんの母親はとても安定した口調で話してくれている。
モトさんの母親は、息子を本当に愛している。
こういう"カタチ"の愛の受け止め方もあるのか…
と、当時のオレはいろいろ考えさせられた…
本当にモトさんは苦しんできたんだろう…
モトさんはどんな気持ちで自分のカラダに火を付けたのだろう…
自分の事だけでなく、母の事も思ってした行為なの?!
ともオレは思った…
コレがモトさんの親孝行という"カタチ"なの?!
モトさん、母親の事も、とても心配してたもんね…
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最後にオレは、
モトさんの元奥さんと息子は葬式に来たのかを聞いた。
モトさんの母親は知らせたそうだが、
やはり、元奥さんと息子は葬式にも来なかったそうだ…
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毎年、年が明けるとオレはモトさんの墓参りへ行く。
『モトさん、息子に会う事が出来ましたか?!
いや、モトさんの事だから、空の上から息子を見守ってるんでしょうね。』
『オレはまだ、自分の父に会えていません。
けど、近いうちに、会える様にイロイロとやってみます。
その時に、父がどの様な反応をするか、わからないけど、
少なくともあるだろう、オレの父の愛の"カタチ"を、
オレは察してみせます。』』
『モトさん、そっちでも酒の飲み過ぎはダメだよ!!
でも、今日は特別に酒を持ってたよ。』
『ココに置いとくね。』
『オレもそうだけどさ、
いつか、父と息子が一緒に酒飲めたら最高だよね!!』
『うん…、その時が、必ず来るよ!!』
『必ず…』
"我が子よ、私の気持ちの叫びも届く事もなく、ごめんなさい…
私がアナタに愛のカタチを与えられるとするのならば、
アナタを忘れずに、未来へ羽ばたく事でしょうか…
とにかく、今の私には愛のナニかが欠落していると思います…
なので、ソレを見つける旅に出るとします…"
NYまであと41日…
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★Keyshia Cole
♪Heaven Sent
GENRE:R&B/Soul
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